はじめに
 
	
			糖尿病は生活習慣の変化とともに増加し続けている疾患のひとつであり、現代の生活において避けて通れない重大な健康問題の一つです。
			
当院では、糖尿病を抱える患者さんに対して単なるお薬での治療だけでなく、食事・運動療法を含めた総合的な生活支援を含めてお一人おひとりの生活の質が向上することを目標に伴走します。
		
	当院では、糖尿病を抱える患者さんに対して単なるお薬での治療だけでなく、食事・運動療法を含めた総合的な生活支援を含めてお一人おひとりの生活の質が向上することを目標に伴走します。
	なお、2023年9月より日本糖尿病学会・日本糖尿病協会は「糖尿病」の新しい呼称として「ダイアベティス」という言葉を提唱しています。
しかし現時点ではまだ充分に認知されていないと当クリニックでは考えており、伝わりやすさを重視してこれまで通り「糖尿病」の呼称を使用します。
しかし現時点ではまだ充分に認知されていないと当クリニックでは考えており、伝わりやすさを重視してこれまで通り「糖尿病」の呼称を使用します。
糖尿病とは(糖尿病の原因と診断基準)
 
	
			糖尿病はひと言でいうと「血液の中に余分な糖があふれてしまう状態」のことです。
			
口から入った糖は主に小腸から血管内=血液へ吸収され、血流に乗って全身へ行き渡る中で体内で分泌されたインスリンの作用で血管外の細胞へ取り込まれます。
			
そこでインスリンの量や効きが足りないと、余分な糖が血中に残ってしまうため血管や体の臓器・機能を損ねていきます。
		
	口から入った糖は主に小腸から血管内=血液へ吸収され、血流に乗って全身へ行き渡る中で体内で分泌されたインスリンの作用で血管外の細胞へ取り込まれます。
そこでインスリンの量や効きが足りないと、余分な糖が血中に残ってしまうため血管や体の臓器・機能を損ねていきます。
 
		エバさん
	   
		院長
	   
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	  糖尿病の種類と特徴
 
	糖尿病は「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」の3つの種類があります。それぞれ原因や管理方法が異なるため、正確な診断と適切な治療が重要です。
1型糖尿病
	「1型糖尿病」では、免疫の異常により体内でインスリンを作る膵臓の細胞が破壊されてしまいます。そのため、体内のインスリン量がほとんどまたは全くなくなってしまい、身体の外からインスリンを注射して補っていく必要が出てきます。
2型糖尿病
	「2型糖尿病」は現代社会において圧倒的に多いタイプです。こちらは遺伝的な要素とともに肥満や運動不足、偏った食生活などの生活習慣が大きく関係しています。
具体的な2型糖尿病の原因や背景は以下のようなものがあげられます。
具体的な2型糖尿病の原因や背景は以下のようなものがあげられます。
- 肥満:内臓脂肪が増えてインスリンが効きにくくなる
- 運動不足:身体活動が減ることでエネルギー消費量が少なくなる
- 偏った食生活:糖質・脂質主体の食品を摂る機会が増える
- 加齢:年齢を重ねるとともにインスリンの働きが低下していく
	体内のインスリンは十分な量が分泌されていても、身体の中でインスリンが効きにくい状態になってしまうと血糖値が高くなります。
また、一般的に日本人は遺伝的にインスリン分泌量が少ないことが多いため、比較的糖尿病になりやすい民族と言われています。
また、一般的に日本人は遺伝的にインスリン分泌量が少ないことが多いため、比較的糖尿病になりやすい民族と言われています。
妊娠糖尿病
	「妊娠糖尿病」は妊娠中に血糖値が高くなる状態で、ホルモンバランスの変化によってインスリンが効きにくくなり、血糖値が高くなります。
出産後にはホルモンバランスと同様に元に戻ることが多いですが、そのまま2型糖尿病に移行する場合もあり、体重や食生活への注意が必要です。
出産後にはホルモンバランスと同様に元に戻ることが多いですが、そのまま2型糖尿病に移行する場合もあり、体重や食生活への注意が必要です。
糖尿病の初期症状と診断
 
	多くの場合、糖尿病の初期症状には特徴的なものがありません(進行すると口が渇く、水をたくさん飲む、尿量が増えるといった症状が出てきます)。そのためご自身で気付くことは難しく、健康診断や別件での血液検査で発見される場合がほとんどです。糖尿病の診断は、主に血糖値とHbA1c(「ヘモグロビン エーワンシー」と読みます)値(過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映します)を測定することによって確定します。
		■糖尿病の診断基準
	
	- 空腹時血糖:126mg/dL以上
- 75gOGTT 2時間後血糖値:200mg/dL以上
- 随時血糖値:200mg/dL以上
- HbA1c:6.5%以上
	これらの基準のうち、いずれかの基準1つでも当てはまれば「糖尿病型」と判断されます。
さらにHbA1cが6.5%以上の場合、または1ヶ月以内の再検査で再度いずれかの基準を満たすか、上記の症状がある、もしくは目(網膜)に特徴的な変化があれば「糖尿病」と診断されます。
	
ただし、HbA1cのみの測定では「糖尿病型」または「糖尿病の疑い」しか判断できず、診断には必ず血糖値の確認が必要です。
	
健診などで「『HbA1cが高いので糖尿病です』と言われた」という話がよく聞かれますが、もし血糖値を測られていない場合は診断基準を満たしていないため、医学的には正確な表現とは言えません(ただし、HbA1cの上昇具合によっては「実質的にほぼ糖尿病と考えられる」場合もあります)。
さらにHbA1cが6.5%以上の場合、または1ヶ月以内の再検査で再度いずれかの基準を満たすか、上記の症状がある、もしくは目(網膜)に特徴的な変化があれば「糖尿病」と診断されます。
ただし、HbA1cのみの測定では「糖尿病型」または「糖尿病の疑い」しか判断できず、診断には必ず血糖値の確認が必要です。
健診などで「『HbA1cが高いので糖尿病です』と言われた」という話がよく聞かれますが、もし血糖値を測られていない場合は診断基準を満たしていないため、医学的には正確な表現とは言えません(ただし、HbA1cの上昇具合によっては「実質的にほぼ糖尿病と考えられる」場合もあります)。
 
		エバさん
	   
		院長
	   
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		院長
	  糖尿病を放置した場合のリスクと合併症
	糖尿病の合併症には、以下のようなものがあります。
		■糖尿病の合併症の代表例とリスク
	
	- 網膜症:視力が下がり失明になることも、年に1回は眼科を受診しましょう!
- 腎症:腎臓の機能が低下して体内のクリーニングができなくなります
- 神経障害:手足がジンジン痺れたり、感覚が薄れたりします(怪我に気付きにくい!)
- 心血管疾患:動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳卒中のリスクがぐっと高くなります
- 難治性潰瘍:傷が治りにくくなります
- 感染症:免疫力が低下し、感染症が重症化しやすくなります
	これらの合併症は気づかないうちに進行してしまうことも多いです。
そのため、糖尿病と診断された、または健康診断で血糖値を指摘されたなどの場合は、早期に血糖コントロールを始めて、合併症の予防や悪化を防ぐことが重要です。
そのため、糖尿病と診断された、または健康診断で血糖値を指摘されたなどの場合は、早期に血糖コントロールを始めて、合併症の予防や悪化を防ぐことが重要です。
糖尿病の治療・向き合い方
食事療法:糖質・カロリー控えめ、野菜多めでバランスのとれた食事計画
 
	体内のインスリン分泌量=糖の処理能力は生まれつき決まっているため、他の方法で血糖値を上げ過ぎないようにする必要があります。
	
具体的な方法としては、以下の2つです。
具体的な方法としては、以下の2つです。
- 摂取カロリー量を抑える
- 消費カロリー量を増やす
	これらのうち、まず前者の「摂取カロリー量を抑える」から取り組んでいただくことをお勧めしています。後者は平たく言うと「運動しましょう」ということですが、実際に消費カロリー量を増やそうとすると相当な量の運動が必要で、しかもこれらは続けていかないといけません(止めると元に戻ってしまいます)。また、医学的には「食べ過ぎた分を運動でリセットする」のには限界があると言われており、「最初からカロリーを摂り過ぎない」方が動脈硬化の予防に有利です。
	
ここで「摂取カロリー量を抑える」に当たってのポイントは「今のカロリー摂取量を踏まえた上で」考える点です。年齢と共に身体の活動量は下がりやすい=カロリー消費量は減りやすい中で「昔と同じように食べている」と、結果的に相対的なカロリー摂取量は増えてしまっているという状態になりかねません。
ここで「摂取カロリー量を抑える」に当たってのポイントは「今のカロリー摂取量を踏まえた上で」考える点です。年齢と共に身体の活動量は下がりやすい=カロリー消費量は減りやすい中で「昔と同じように食べている」と、結果的に相対的なカロリー摂取量は増えてしまっているという状態になりかねません。
 
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		院長
	   
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			■糖尿病の食事療法:具体例
		
		- 糖質管理:糖質の摂取量を意識してコントロールし、血糖値の急上昇を防ぐ(「食べない」ではなく「メリハリをつける」ことです)
- 食物繊維の摂取:野菜、きのこ、海藻などの食物繊維を摂る
- 脂質の制限:揚げ物や菓子類は控え、低脂肪の食事を心掛ける(糖質・たんぱく質とは同じグラム数でカロリー量が倍以上異なります。)
- 規則正しい食事時間:1日3食、一定の時間を守ること(インスリンの分泌=配達員さんの出動も安定します)
 
		院長
	   
		エバさん
	   
		院長
	  運動療法:できることから、ちょっとずつ
 
	医学的な「運動」というのは「中等度の負荷(例:話しながらではちょっときついくらいのペースで歩く)30分を週に5回」というのが古典的な定義ですが、これを始めてずっと続けるというのはなかなかに大変かと思います。私たちはまず取っ掛かりとして「日常の生活に組み入れられる簡単なものを少し」から始めることをお勧めしています。
	
例えば…
例えば…
- いつもの通勤の道を「ちょっとだけ」回り道する
- エスカレーターに乗るのを「行きだけでも」階段を使う
- 「1つ」手前のバス停で降りて歩く
- 「ほんの少し」遠い駐車スペースに車を停める
	など、「無理し過ぎない、嫌にならない」程度でまず始めること、そしてそれを「続ける」ことが大切です。
タイミングや時間帯も統一すると習慣化しやすくなります。まずは習慣化する一つの目安と言われている「2か月間」頑張ってみましょう。
タイミングや時間帯も統一すると習慣化しやすくなります。まずは習慣化する一つの目安と言われている「2か月間」頑張ってみましょう。
おわりに
 
	糖尿病は「治す」ことは難しくても「自分でコントロールできる部分が大きな病気」だと思います。
	
岡山市北区の内科えばらクリニックでは、患者さん自身がご自分のお身体のことに向き合い、健康管理を通じて日常生活を充実させるためのサポートを全力で行っています。「やりたいことをやれるように、健康面の問題解決をお手伝いする」というのが私たちのスタンスです。
	
どんな小さな不安や疑問でも構いません。お気軽にご相談ください。私たちと一緒に、「糖尿病と一緒に生きていく暮らし」を始めましょう。
岡山市北区の内科えばらクリニックでは、患者さん自身がご自分のお身体のことに向き合い、健康管理を通じて日常生活を充実させるためのサポートを全力で行っています。「やりたいことをやれるように、健康面の問題解決をお手伝いする」というのが私たちのスタンスです。
どんな小さな不安や疑問でも構いません。お気軽にご相談ください。私たちと一緒に、「糖尿病と一緒に生きていく暮らし」を始めましょう。











 
				